相手に興味を持ったコミュニケーション

看護師の仕事において特に難しいと言われるのが信頼関係の構築だ。信頼関係を築く上で重要なポイントの一つにコミュニケーションがある。立場に関係なく人同士が信頼し合うにはコミュニケーションを通じてお互いのことを理解し合うことが基本だ。看護師の中には仕事で必要な言葉のやり取りだけでコミュニケーションが図れていると満足している人もいる。しかしこれは誤った考えで、このやり取りはただ単に相手に用件を伝えているだけに過ぎない。相手を理解することを目的としたコミュニケーションは用件だけでなく雑談を交えて相手の情報を引き出す、自分の情報を伝えることで初めて成立する。ここで忘れてはいけないのが対象への興味だ。感情は言葉にしなくても表情や態度を通して相手に伝達する。相手に興味がなければ無意識のうちに会話の受け答えが雑になり、それが表情として表れてしまうので信頼関係を築くことはできない。看護師が向き合う患者は一人ひとり性格や考え方が違うので臨機応変に対応することが大切だ。相手に興味を持つことは患者に合わせて適切な対応をする上でも必要な行為と言える。信頼関係の構築で気を付けなくてはいけないのが距離感だ。仲良くなり過ぎてしまったことで、相手に内面に踏み込み過ぎて無礼な振る舞いをして信頼関係を壊してしまうという失敗例もある。友人関係ではなく看護師と患者という立場の違いがあることを忘れずに時には客観的に相手を見ることも忘れてはいけない。